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家族や仲間との団らん、お料理作り、または焼きたてのお菓子をコーヒーと楽しむひとときは、誰にとっても心を豊かにしてくれる大切なもの。それを生み出す場所 ── キッチン。昨今では、オープンキッチンが主流となりつつあり、単なる調理場ではなく、料理や団らんを楽しむ「家」の中心になってきています。

日本のみならず世界中のキッチンやインテリアの取材を重ね、生活者のリアルな視点からキッチンを見つめ発信し続けているキッチン・ジャーナリスト 本間美紀さんに、キッチンと住まいの最新トレンドを伺いました。

 

キッチンとインテリア。
その距離がぐっと縮まってきているのをご存知ですか?

【文/本間美紀】

 

キッチンと家具が一体に

「水まわり」としてキッチンが家の奥に押し込められたのは、もう昔。
いまは、マンションでもキッチンはオープンか対面型に。
そして新築やリノベーションで、キッチンを住まいの真ん中にプランニングする家庭も増えています。

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Marchi kitchen(Italy) テーブルとキッチンがつながるプラン。


そんな時代に合わせて、キッチンも変わっています。実用中心のキッチンをそのまま家の真ん中に持ってくる、、、のではなく、今はオープンキッチンに対応したさまざまな商品がうまれているのです。特にドイツやイタリアなど、海外のキッチンは日本にはない発想のものが多く、驚かされます。ここではそんな最新のキッチンとともに、キッチンとインテリアの新しい考え方をご紹介します。

デザインや素材も幅広く

たとえばキッチン本体は家具のようにデザインのバリエーションが増えました。
ハンドルレスでスッキリ見えるもの。
また素材も木や塗装、メタリックなど家具や床の雰囲気に合わせて選ぶ楽しみがあります。

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Siematic (Germany) 引き出しや扉の取っ手がないキッチンが、「ハンドルレス」スタイル。すっきりと箱のように見えます。扉材はアルミなどメタリック仕上げが使われています。

調理作業をするワークトップも、キッチン空間がリビングまでつながる時代、テーブルトップのように美しい素材が選べるようになっています。

Snaidero (Italy)
Snaidero (Italy) ヴィンテージ風の木のキャビネットと、セラミック調のワークップ。異素材が調和しておしゃれ!

収納も隠すばかりではなく、見せる部分をつくってお気に入りの食器やインテリアオブジェを飾る、そんな「見せる&隠す」の収納バランスが人気です。

Scavolini(Italy)
Scavolini(Italy) ‘フードシェルフ’スタイルキッチン。半分見せて、半分隠す収納スタイルはこれからも主流になりそう。

キッチンを美しくまとめるものって?

一般的にキッチンには何が置かれているでしょうか?
電子レンジ、エスプレッソマシン、オーブン、最近はスチーマーやハンドミキサー、ワッフルベイカーなど新型家電も増えていますよね。さらにシンクでは食器を洗うためのスポンジや洗剤、ワークトップには水切りカゴと、キッチンにはいろいろなものが見えています。

Euromobil(Italy)

Euromobil(Italy) ボックスの中に調理道具をぎゅっと詰め込んだスタイル。リビングに近いキッチンでも雑然としません。

料理をつくる、後片付けするといったキッチンの機能を、一つのシンプルな美しいデザインの中にギュッと押し込めてくれるのが、「ビルトイン」というスタイルです。ビルトインとはキッチンのキャビネット部分に工事で組み込む家電です。オープンなキッチン空間とインテリアをなめらかに結ぶもの、それが「ビルトイン家電」なのです

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team7 (Austria) シャープなデザインの家電も、ナチュナルな木のキッチンにすっきりなじむ。これが ‘ビルトイン’ の魔力。

キッチン×インテリアを美しく快適な居住空間に── 「ビルトイン家電」

 

そしていまその「ビルトイン家電」には、さまざまなバリエーションがあります。
世界のビルトイン家電でも最新スタイルといわれる、ドイツ・ミーレ社の G6000 シリーズは、キッチンとインテリアがつながる時代にとてもメリットがあります。


オーブン

キッチンとインテリアがつながるとき、そこではどんなお料理がしたいですか? 家族や友人がくつろぐ空間こそ美味しいものをつくりたいですよね。

そんなときプロ並みのプログラムで料理をつくってくれるのがこのオーブン。
実は個人的に面白いと思っているのが、ヨーロッパそのままの料理のプログラムが搭載されているところ。ドイツ製品だなあ、ってワクワクする部分です。
蒸気の温度や調理時間を細かく設定して、自分流のプログラムを覚えさせることもできます。

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またモイスチャー(水分)を掛けながら焼く、など一般的な調理道具にできない調理もできるのです。

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食器洗い機

ビルトイン機器で入門編としておすすめなのが、食器洗い機です。
オープンキッチンや人が集まるダイニングでは必須の家電です。

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海外の食器洗い機は幅60㎝と大きく、料理中から下ごしらえに使ったボウルやお鍋をそのままどんどん入れて行きましょう。シンクの中はいつもすっきり。食後はテーブルから汚れた食器を食器洗い機に直行させれば、より効率的。ミーレの食器洗い機は、洗浄能力が高く、一般的な汚れなら下洗いなしですっきりときれいになります。後片付けの時間はゆっくりと過ごすために使いましょう。

エスプレッソマシン

最近はコーヒーブーム。意外と置き場所に困るのがエスプレッソマシンです。リビングに近い位置にビルトインすれば、家族がそれぞれ好きなコーヒーを入れたり、「おうちカフェ」が実現できますね。

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オーブン、電子レンジ、コーヒメーカーなどさままざな機能を同じデザインとして統一するのは、技術的に大変高レベルなことなのだそうです。シンプルすぎて気づきません…それがすごいですね。
キッチンとインテリアがつながる時代、もののごちゃごちゃ感をなくし、空間を美しく見せてくれるのです。


ドイツ人のキッチンスタイル

そして最後に、、、ミーレが生まれたドイツ人のキッチンスタイルのお話。

ドイツ人はインテリアをすっきりとまとめることを好みます。だから直線的で、フラットにおさまるビルトイン家電が進化してきました(たとえばイタリアやフランスではもう少しデコラティブでアンティークなインテリアが好まれますが)。またお掃除が好きな国民性から、お手入れのしやすさも考えられたものが多いです。

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Rational(Germany) キャビネットの水平垂直が美しい、典型的なドイツのキッチンスタイル。
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開けると食器や家電、キッチンツール、そしてビルトインオーブンまでが一カ所に納められて合理的。

そして合理性を重視するので、どんな家電も機能性が徹底して考えて抜かれています。そんなドイツという国だから生まれたのがミーレ、というブランドなのかもしれません。

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Profile: 本間 美紀 (ほんま みき) 

エディター&ライター、キッチンジャーナリスト
早稲田大学卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に勤務。 特にキッチンを得意としながらインテリア、ライフスタイル、デザインなど幅広いジャンルに精通。 独立後は「リアル・キッチン・ガイド」や「最高のキッチン・ルームをつくる方法」(エクスナレッジ刊行)などのムックを手がけながら、取材、執筆、講演活動など、その活動は多岐に渡っている。